今日、名古屋で大学時代の友人、彩子と再会した。卒業以来だ。
その年数を知ると改めて驚く。いつの間に、そんなにも時は流れたのだろう。
大学時代は同じ専攻だったが、彼女と二人きりで話したのはおそらく今日が初めてだった。
それなのにその距離を感じないほど、話が尽きなかった。
大学時代に少し映画を撮っていたのは知っていたけど、今、彼女が映画監督として、全国、海外でも上映会を行っていることは初耳だった。
私と彼女を引き合わせてくれたのは、私の前職で同じ学校だった中学部の先生だった。ほぼ会話をしたことがなかったM先生だが、Facebookで再会し、ひょんなことから時々メッセージをやりとりしている。
これまた距離があるのに、ご縁はつながるから不思議だ。
先日、M先生の投稿がニュースフィードに流れてきて、私は目を見開いた。
M先生と大学時代の友人彩子が一緒に写真に写っていたからだ。
その時初めて、私は彼女の活躍を知る。
嬉しくなってM先生に連絡をしたら、彩子に繋いでくれた。そして、たまたま名古屋に行くことが決まっていた私は、久々に会いたいとメッセージを送った。
大学の頃は、まだSNSもLINEもスマホもない時代だったので、彩子と卒業後に連絡を取ることはなかったのだけど、便利な時代になったことに心から感謝。こうして再会することができた。
彼女はこれまでに5本の映画を作り上げたらしい。撮影から作品になるまで、10年かかったものもあるそう。
だいたい一本に2年くらいは費やしているのだとか。
私は本を書くのに多くの時間をかけていると思い込んでいたけど、それを遥かに超える制作期間に尊敬の念が湧く。
長い年月をかけて、一つを生み出すパワーと集中力が凄い。
でも、彩子ならやれるだろうと大学時代を振り返ってみても不思議ではなかった。
彼女の一番のヒット作は「スタートライン」という映画らしい。
お母さんが亡くなった後、何もやる気が起きなくなっていた彼女の元にやってきたロードバイクが運命を変える。
乗った時に感じた風が、生きている実感を味わわせてくれたそう。
そこから、彼女は一念発起して、沖縄から北海道まで、ロードバイクで日本縦断の旅に出ることになる。
聴覚障がいがあるため、伴走者付き。
ロードバイクに初めて乗った1ヶ月後には、日本縦断の旅を決意。クラファンで800万集めて、決行。
そして、そのドキュメンタリー映画がヒット作となる。韓国や台湾、ヨーロッパなどでも上映会が開かれたそう。
その話に感動して、私も今日、自分の中で「スタートライン」に立ち、一歩を踏み出そうと決意した。
そのため、久しぶりのLily’s Diaryを書く。
私にとって、苦い思いもたくさんある名古屋で、最高のギフトを彩子から受け取った。
ありがとう。素晴らしい再会の奇跡に心から感謝。
最後に、
彩子が「名古屋の空は狭くて落ち着く」と言ったのが印象的だった。
都市部を離れた場所に住み、だだっ広い空を見て寂しくなったのだとか。
なんとなく理解できる。
私は広い空が好きだけど、自然の美しさに圧倒されて、寂しさを感じる時がある。
子どもの頃、「となりのトトロ」を観て感じた気持ちに似ている気がした。
そして、今日の名古屋の狭い空は、一段と美しかった。